「日中WEB・ブログフォーラム」開催を目指して

 

日中交流研究所所長 段躍中

 

 

 「日中WEB・ブログフォーラム」開催を目指したい。改めて、そう考えはじめた。筆者は、以前、「日中WEB・ブログフォーラム」を開催したいと、メールマガジンで読者に向けて、決意を述べたことがある。

 

 決して忘れていたわけではないが、日常に忙殺され、延び延びとなっていた。今こそ、実施する機が熟してきたように思われる。まだ、アイデアというより、アイデアの卵の状態でしかないが、日中交流に関する情報を発信する優れたブロガー、WEB運営者(ホームページ、メールマガジン等)達の集いを東京と北京で交互に開催する、そういうことが実現できないであろうか。

 

近年、ブログやメールマガジン、WEBの役割は、日々大きくなってきていると痛感している。先日、ブログ「北京メディアウオッチ」を筆者のブログにて紹介させていただいた。「北京メディアウオッチ」を運営されていらっしゃる「しゃおりん」氏は、北京在住のライター・翻訳者で、「北京を拠点に 中国のメディアを見ながら感じたことのあれこれを綴るブログ」とトップに掲げていらっしゃる。

 

その情報量に、舌を巻いた。北京にいても、これだけの情報を得られる人がどの程度いるだろうか。ライターであり翻訳者であるしゃおりん氏が1つずつ目を通された中国のメディアから、特筆すべき中国の現状が子細にまとめられている。また、日本に関連した情報(雑誌の創刊、日中交流情報など)も漏らさず掲載されている。

 

また、毎日新聞では、『ネット君臨 第3部 近未来の風景3』として「中国 ブログ告発に世界的反響」(毎日新聞2面200766日付)という記事が掲載された。「権力に抗する武器に」という中見出しがつけられた記事には、ブログを活用して世界に発信する中国人女性の曽金燕氏(23歳)が紹介されていた。曽氏は、胡錦涛主席と一緒に、米雑誌「タイム」が発表した2007年版「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたとのこと。現代通信技術・ブログを駆使して、世論、そして中国を変えていく初めての中国人女性ではないか、と思われる。

昨今、ブログへの注目度は高いと感じる。前述の2人ほどではないが、筆者自身のブログですら、あちこちから問い合わせを受ける。着実に、ニューメディアとしてブログやWEBが根付いていることを肌で感じている。

 

もちろん、これらインターネット上の情報の信頼性に対して、問題点がないわけではない。匿名性が高く、個人が情報を発信することができるため信憑性に欠ける場合もままある。また、情報をどのように発信するかは、運営者の採択に任される場合が多いため、インターネット上の情報は、いつ消失するかわからない。

 

加えて、インターネット上で情報が公開されること自体にも、問題はある。デジタル格差である。シニア世代の中のパソコンが不得意な人々や、パソコンに触れることができない人々は、情報を見ることが出来ないばかりか、発信することもできない。ITにアクセスできない人々の声は、吸い上げられることが少ないということになる。インターネットにアクセスし、発信する技術を持った人の考えのみが、一方的に声高に伝わっていく可能性もある。

 

 これらの欠点はホームページやブログという手段が誕生したときから、残り続けている欠点である。しかし、日中交流という視点において見た場合、欠点があるものの、通信環境がある限りどこからでもアクセス可能であり、即時性をもつインターネット上の情報は、大きな貢献を果たしているといえるのではないだろうか。

 

そして、ブログには、マスメディアでは果たせない役割がある。マスメディアの力は大きいが、そのもっとも大きい欠点が、「ニュース」でないと発信できないという点ではないだろうか。性質上、人々の耳目を集める報道が優先され、必要とされている。

 

ブログでは、マスメディアでは気づきにくく、取材しにくく、また報道しにくいニュースや事例が、ブロガー一人一人の手によって発信されている。決して「ニュース」になるものばかりではないが、市民レベルから気づいた情報の発信は、大きな役割を果たしている。ややもすると、問題解決の糸口を示しているようなブログ記事に出会うことさえある。マスメディアと対立するのではなく、マスメディアでは捉えにくい情報発信。ブログは、いわば「市民メディア」の役割を果たしているといえるのではないだろうか。

 

 また、ブログやWEBは、新たな「ミニコミ誌」と捉えてもよいのではないかと思う。これまでミニコミ誌は、新聞や雑誌など印刷物という意識が強かったかもしれない。しかし、新たなニューメディアやマルチメディアとして、ブログやWEB、携帯のショートメール機能を使ったメールマガジン等は、印刷物ではないが、これらも日中交流に関するミニコミ誌の範疇に含めるべきなのではないだろうか。しかも、印刷版ミニコミ誌より、ブログやWEBでの発信は、コスト面もはるかに安くできる。これも大きなメリットではなかろうか。

 

今年は、日中友好35周年であり、来年は日中平和友好条約締結35周年にあたる。もちろん、北京オリンピックも待っている。様々な方向で、交流を促進するようはかっていくことはできないだろうか。そのために、「日中WEB・ブログフォーラム」開催を実現させたい。今、ブログやWEBは点として個別に存在しているように思われる。ブロガー同士やブログ読者同士が線で介在はしているが、それを面とし、ブロガー同士の交流を行うことで、ひいては日中交流に結びつく情報が更に発信され、利用されることを願う。

 

一足飛びに、フォーラム開催といかなくても、「北京メディアウオッチ」をはじめ、よいものを少しずつブログに紹介することからはじめたいと思う。「北京メディアウオッチ」のしゃおりんさんから、メールが届いた。「ともに日中の「ウィン・ウィン」の関係を築いてまいりましょう!!」と書き添えてくださっていた。共に手を携え発展していくためには、相互理解が必要である。「市民メディア」の相互交流、協力は欠かせない。

 

この趣旨に賛同して頂ける方々、ぜひ手を携えて「日中WEB・ブログフォーラム」開催に向けて、一緒に頑張りませんか。